- いつも子どもを叱っている。叱らないと子どもは動かない。叱ることは愛情表現だよね!?
- 毎日叱ってばかり。時に罵倒していることも。日に日にエスカレートしているかも。大丈夫かな?
そんなお悩みに答えます。
「叱ること=愛」は勘違い!否定され続けて育った私が抱える苦悩
私は、単身赴任で一緒に過ごす時間が少なかった上無口な父と、当時は珍しかったワーキングマザーの母に育てられました。
近くに母方の祖父母も住んでおり関係も良好でしたが、私には年齢の近い兄弟もいて、母は働きながらの子育てで毎日忙しかったと思います。
そんな私は、子どもの頃から褒められた記憶がありません。
それよりも、感情の起伏が激しい母にいつも叱られて叩かれていた記憶だらけです。
正確には、褒められたこともあったのでしょうけど、その後に必ず
- 「でも、○○も頑張ろう。」
- 「○○ももっと上手にできたらいいのに」
- 「お姉さんなんだからもっと・・・」
などと、必ず激励の言葉が付け加えられていました。
私もボーッとした子どもだったので、行動に移すのが遅いこともあったのでしょう。
忙しい中でイライラする気持ちは今になったらよくわかります。
早くできないこと、鈍臭いとよく怒られていました。
母としては、叱咤することでやる気を出してもらおうと思って言っていたんだと思います。
実際に、叱れる人は親しかいない。本当のことを言えるのは親しかいない、怒ることも愛情だとよく言っていました。
足が太い、口くさい、男みたい、選ぶ服にセンスがない。変な髪型。勉強もろくにできないくせに。・・・今考えると「悪口やん!」ってことも散々言われました。
少しでも反抗的な態度をすれば、親の言うことを聞かないなんて最低だ!子どものくせに親に意見するなんてクズ!とものでも手でもよく叩かれました。
そんなことを言う同じ口で、虐待する親なんて信じられない。子どもほど大事なものはないとよく言っていました。
自分が子どもの心を破壊して、虐待行為をしていると言うことの自覚は全くなかったようです。
子どもを真っ当に育てるために、真っ当なことをしているだけと思っているようでした。
そのようにして育った私はといえば、幼少期は親の言うことをしっかりときくいわゆる「いい子」でした。
親の言う通りに行動することがいいこと、と刷り込まれ思い込んでいましたので、常に親に聞く、親の顔色を伺う子どもでした。
学童期にあるきっかけで「私には自分の意見がない」と言うことに気がつき、自分の意見がないことに悩み始めます。
何をやっても上手くいかずに叱られてばかり。
そんな自分に自信も持てませんでした。
「何をやっても上手くいかない」のではなく、「親の思う通りにはならない」の間違いだと今となっては分かるのですが、当時は、「親の言う通りにならない=上手くいかない」だと刷り込まれていました。
なので、新しいことにも挑戦しませんし、時代の先端を行ったり、自分の得意分野で成功すると言うことも一生ないと思います。
そんな生活が続いていく中で、私は家庭の中で生活するのが息苦しくなり、
中学生の頃から、早く大人になって家を出たいと思っていました。
大人になって自分で生活できるようになったら必ず家を出る。親が簡単には訪ねてこられないところで生活したい。それを大きな目標として生きていました。
母のことは大嫌いです。
でも、心のどこかでいつも「母に認めてもらいたい」と言う呪いのような気持ちが巣くっています。
離れていても、何をしていても、その気持ちから逃れられずに苦しい年月を過ごしました。
【人格破壊】罵倒され続けることによるデメリットは?
あくまで私の意見ですが、昭和の時代は、私のように割と叱られて育てられた人って多かったのではないでしょうか。
親も教師もそれが子どものため、愛情表現と思って疑わなかった方が一定数いるのではないかなと思います。
でも、最近では、体罰、暴言、怒鳴る、罵倒するなどの親の行為が子どもの脳に深刻な悪影響を及ぼすことが様々な研究からわかっています。
私が思う、親から叱られ続けることで子どもが被るデメリットは・・・
- 叱られることで自己肯定感が下がる
- ネガティブ思考
- 親に依存するようになる
- どうせ何をやっても上手くいかないと諦め癖がつく
- 何をやっても上手くいかなくなる
人間誰しも叱られるよりも褒められる方が嬉しいです。
褒められるとその分、自信ややる気に繋がるのは皆さん今まで生きてきて実感しているのではないでしょうか?
育児をしているとよくわかりますが、もちろん時には叱ることも必要になることがあります。
根気よく言い聞かせることも必要です。
ただ、毎日叱り続ける、何時間も怒鳴り続ける、人格を否定するようなことを言う、ことは子どもの人格を傷つけ、卑屈になってしまいます。
自分はこんなにダメな人間なんだ、と自分に価値を見出せず、自分を自分で認めてあげることができません。
- 友達ができないのは自分に価値がないから
- 両親が離婚したのは自分がいい子じゃないから
- 就職できないのは自分に価値がないから
- 恋人にふられるのは自分がロクでもないから
そんな風に自分を常に卑下するようになります。
そして、自己肯定感が低くなってしまいます。
自己肯定感が低くなると何が悪いのでしょうか?
自己肯定感は、どんな根拠がなくても自分を自分で認められる感覚です。
自分を肯定できるからこそ、人はいろんなことに挑戦してみようと思います。挑戦して失敗したとしても、前向きに行動することができます。
自分の考えをしっかりと持ち、それに伴って道を選んで行動することができます。
他人を認め、受け入れ、愛することができます。
自己肯定感が低いと、その全く反対に、
何かに依存しないと自分を保てない状態になったり、すぐに人と比較してネガティブな感情を抱いてしまいます。
ひどい親に育てられた人に対して、「逃げればいいやん」と言う人がいます。
本当にその通りなんですが、「親の言う通りにしないと上手くいかない」「どうせ自分一人では生きていけない」と刷り込まれているので、簡単には逃げられずに離れられない心理状態になっていることがとても多いのです。
また、自分にはできないとすぐに諦めてしまったり、困難な状況からはすぐに逃げ出すようになります。
子ども時代からの刷り込みで、どうせ何をやっても怒られる、上手くいかないと考えるようになります。
そんな考えで行動していても当然何もかも上手くいきません。
私も恋愛に依存したり、買い物に依存したりした時期がありました。
人によっては、学歴に依存したり、宗教や自分の容姿に依存して拒食症になったり、そのことに熱中している時だけ満たされた気分になり自分にも自信を持つことができる。
依存しているものがないと生活もままならなくなってしまうんです。
人も自分も信じることができず、最悪生きる意味がわからないと言うことに繋がりかねません。
こどものダメなところばかりが気になるというの対処法については、こちらの記事を読んでみてください。↓↓
子どもの頃の呪縛から解き放たれる方法は?
こんなに自分を苦しめる親を許せない気持ちがあるかもしれません。
許せたらどんなに楽だろうと苦しんだ日々があるので、私にもよくわかります。
許せなくて当然。
許せなくても大丈夫です。
でも、ご自身が楽になるように少しだけ行動してみましょう。
私が試した方法はこれです。
- 親とは距離をとる
- 自分で調べて考えて決める
- マインドフルネスで脳をトレーニングする
子ども時代に受けた親からの呪縛を解くことはそう簡単ではありません。
私も数十年も苦しんできました。
まずは、親との距離をおく事です。
私の場合は、就職で実家からは遠方に引っ越しました。
その時も、親からは色々と言われました。
やっととれた就職内定先だったにも関わらず、
「それやめれないの?」「実家の近くで就職できないの?」「なんでそんなに離れているところなの?恨みでもあるの?」
散々言われました。
離れた後も、勤務時間中に1日に何度も何度も電話を掛けてきて、出られないと繰り返し嫌がらせのように掛けてきて本当に恐怖そのものでした。
もう逃れられないのかなと絶望したこともあります。
でも、距離を置き、私にも新しい家族ができ、環境が変わって時間をかけることで徐々に離れることができました。
やはり、物理的な距離を置くことは最優先かつ最重要だと思います。
それから私がしたことは、「親だったらどうするかな?」と考える癖があったので、それを止めました。
上でも述べたように、親から罵倒されて育った私は常に親の顔色を伺い、ある意味親に囚われていました。
なので、親の考えは置いておいて、自分で考えて調べて自分で決めることにしました。
もちろん、自分で決めたことに親は文句を言ってきます。
初めは、こうやって親に言われることにもいちいち落ち込んで苦しんでいました。
でも、何をしてもどう決めても結局文句を言ってくるのです。
「これが世の中の常識よ!」と親に言われていたことも、世の中に出てみると常識外れだったことたくさんあります。
世界は広いです。
別に親の言うなりにならなくても大丈夫です。
失敗しても大丈夫です。
自分を否定されて育ってきていると、おそらく「認知が歪んでいる」方が多いと思います。
自分なんて何をやってもダメ。
「やっぱり自分はダメなんだ」ではなくて、「親の思う通りにならなかっただけ」です。
誰かが誰かの思う通りになることなんてほぼないです。
小さい子どもだって自分の意見を持っています。
私が、親の言うことに囚われなくなったのには、信頼できる友達との出会いと、マインドフルネスの出会いがありました。
マインドフルネスは、昔から行われてきた「瞑想」の宗教的な要素を取り除いた方法で、ストレス緩和やストレス耐性の強化、感情の抑制に効果があると科学的にも効果が認められています。
マインドフルネスは、続けることで脳をトレーニングすることができることが様々な研究からわかっています。
私の脳は幼少期にダメージを受けていると思います。
脳がダメージを受けることで正常な思考ができなかったり、感情を抑制できなくなることもあります。
マインドフルネスを毎日の生活に取り入れることで、ストレス耐性が上がり、心にゆとりができるようになりました。
今は、子どもたちと一緒にやってみています。
↓↓下の記事で、簡単にできる方法を紹介していますのでぜひ試してみてくださいね。
【否定され続けたからこそ思う】子どものやる気と自己肯定感を育てる「褒め」育児が最高!
否定され続けて育てられた私が思うのは、人生を楽しく生きていく中で自己肯定感とやる気ってとっても大事だなと言うことです。
自己肯定感がやる気にもつながるので、やはり自己肯定感って最高だなと思います。
なので、子どもができる前から、私はずっと子どもができたら絶対に褒めて育てると心に決めていました。
育児中も、どう関わって、どう言葉を掛けたら自己肯定感が育つかな?喜ぶかな?やる気が出るかな?と考えながら育児をしてきました。
ただ、私も人間なので完璧にとはいきません。
感情的になったこともあるし、言いすぎて子どもに誤ったこともあります。
うまくいかなくて泣くこともあります。
ただ、叱るときはできる限り時短で冷静にを心がけました。
毎日、可愛い可愛い言って抱きしめて育ててきました。
そんな私を見て、母は
「あまり可愛い、すごい、ばかり言っていると後から大変になるからやめなさい」
と言いました。
大人も子どもも、褒められて嫌な気持ちがする人はいませんよね。
褒められたら自信もつくし、自信がつけばもっとやりたいと思うよね?
叱られて育った私たちは、「叱られることで奮起する」と勘違いしていますが、実は脳科学的には叱られることでやる気は出ないんです。
怒られないようにしよう、と萎縮するだけで、もっといい事しようとやる気が出るわけではないですよね。
褒め方にもポイントがあるのですが、それはまた別の記事にまとめようと思います。
そんなふうにして育ったムスメは、マイペース、我が道を行く、自己肯定感のめちゃくちゃ高い中学生です。
人前でもあまり怖気付かないですし、言う奴には言わせとけ的なめっちゃ心強いタイプ。友達もいっぱいいる。
羨ましいですww
これからどんな子に育っていくんだろう。
まだまだ大変なこともあるだろうけど、楽しみながら一緒に成長したいです。
【自分も気をつけたい】毒親が侵されている「極端な不安」とは?
大人になり、親になった今、子どもの頃母に言われた言葉をふと思い出すことがあり、もしかしたら、母も不安だったのかもしれない、認知が歪んでいたのかもしれないと思うことが度々ありました。
例えば、
- 「子どもがおしゃれに興味を持ち出した」→「色気付いて望まない妊娠でもしてきたらどうしよう」
- 「子どもがビリヤードをやると出かけていった」→「遊び人になってしまって親にお金をせびるようになったらどうしよう」
これ、信じられないかもしれませんが、私が親に実際に言われた言葉です。
自分も子どもを育てて分かるようになりましたが、子どもが成長するにつれ親の目の届かないところでは一体何をやっているのか全く把握できなくなります。
親としては、子どもに事件や事故に巻き込まれることなく幸せになってもらいたいと思うあまり、子どもの成長状況や行動に必要以上に不安になってしまうこともあります。
ただ、上の例のような話は話が飛躍しすぎていて全く論理的でもなければ根拠もないひどい被害妄想レベルですよね。
このような極端な不安や飛躍しすぎている極論的な話が、普段の母の話でも出てきたりします。
根も葉もない極論で子どもを傷つけていることが分からないとは正気の沙汰とは思えません。
もしかしたら、母も子どもの頃に受けてきた体罰や何らかの原因によってこのような思考になってしまっているのかもしれません。
前述したマインドフルネスでは、目の前の子どもの状態にフォーカスできるようになり、極端な思考に走る事を防ぐ効果もあります。
私も心配のあまり、極端な思考に走らないように気をつけて育児をしていきたいと思います。
まとめ
お子さんを叱り過ぎてしまう、という方へ。
人間、叱られてもやる気は出ない!です。
人は褒められて伸びるので、子どもを上手に褒めてやる気や能力を伸ばしてあげましょう。
叱られ続け、否定され続けて育つと、認知や人格が歪んで子どもの今後の人生に悪影響です。
- 叱られることで自己肯定感が下がる
- ネガティブ思考
- 親に依存するようになる
- どうせ何をやっても上手くいかないと諦め癖がつく
- 何をやっても上手くいかなくなる
子ども時代にそのような扱いを受けて苦しんでいる方は
- 親とは距離をとる
- 自分で調べて考えて決める
- マインドフルネスで脳をトレーニングする
のような方法を試してみてください。
子ども時代に受けたダメージはなかなか解消できずに苦しい時期が続きます。
私もこの記事を書くために子ども時代のことを思い出して苦しくなりとても時間がかかりました。
が、これを消化していくことできっと人生にプラスになります。
傷ついたリンゴがより甘くなるように、傷ついた人もきっと人生がより良いものになると信じています。
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