【子どもの交通事故を防ぐために】道路の歩き方を教えるコツ&親が知っておくべきこと

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  • 子どもが小学校に入学するんだけど、一人で道路を歩かせるのが心配。
  • 子どもが交通事故に遭わないために、どのように道路の歩き方を教えたらいい?

そんなお悩みに答えます。

※この方法を実践したからといって、必ず交通事故に合わないと言うわけではありません。
子どもの特徴を勘案した上で、あくまでも、より安全に歩けるようになる教え方を提案したものです。
お子さんの状態をよく見た上で、初めは送り迎えをする、上級生と一緒に通学させるなど各ご家庭で判断してくださいね。

子どもが歩行中に交通事故に遭う年齢は7歳が圧倒的に多い衝撃的な理由

車と衝突する男の子

歩行中の交通事故の死傷者数が突出して多いのが「7歳」と言う交通事故総合分析センターの調査結果があります。

交通事故総合分析センターの平成27年の調査(交通事故分析レポートNo.116)によると、平成27年に発生した歩行中の交通事故による死傷者数は56,962人だったそうです。

その年齢別の構成を見てみると、成人の年齢別死傷者数は各年齢で600人前後、高齢者では800人前後となっていますが、7歳の死傷者数が約1400人と突出して多くなっている事がわかります。

歩行中の交通事故死者数年齢別

日本の人口構成として、子どもの人数は少なくなっていますから、子どもの人数比にしたらかなりの割合の7歳児たちが毎年交通事故に遭っている事がわかります。

これは、過去5年間で見ても同じ傾向が続いており、7歳児に対して特に交通事故に注意しなくてはいけない事がこのデータからもわかります。

歩行中の交通事故死傷者数年齢別過去5年間の推移

参考データ:https://www.itarda.or.jp/contents/151/info116.pdf

その原因として考えられるポイントは、7歳と言う年齢は、子どもが小学校に入学したタイミングであると言うところです。

  • 小学校に入学し、通学時に一人で・子どもだけで一般道路を歩く機会が増える
  • 小学校入学に際して交友関係が広がる事で、放課後に一人で遊びに出かける機会が増える。

行動範囲が一気に広がるにも関わらず、子どもはまだ自転車や徒歩での一般道路での移動にまだ慣れていない。

そうした理由から小学1年生が交通事故に巻き込まれる事例が多い事が予想されます。

小学校入学はとてもおめでたい事ですが、子どもの生活が新しくなって疲れも出る時期です。

同じ小学生でも、7歳以降は交通事故数が減少していることからも考えて、新生活での疲労や考え事で判断力が鈍っていると言うこともあるのかもしれません。

上の調査では、さらに事故の男女比にも触れており、男児は女児の2倍〜2.5倍以上も事故に遭う数が多いそうです。

男児の方が活動的で、遊びに出かける機会が多かったり、危険な行動を取る可能性が高いことも示唆しています。

帰宅後の過ごし方についても話し合っておくのが大事です。

子どもの視界は大人の60%!「よく見て」だけの指導ではダメな理由

とび出し坊や

私は、子どもとお散歩するのが好きなので、子どもとはよく手を繋いで歩いたりするんですが、子どもって驚くほど周りが見えていないなって思う事がとても多いです。

自分が視点を向けたところに関しては、観察力もすごくてよく見てるな〜と感心するほどなのに、その周りのことは全然見えてないと感じる事が多いです。

お散歩後に、「あそこにあれあったよね」みたいな話しても、「えー?そんなのあったかな?」って言われてしまうことも少なくないです。

「あ!あれ見て!」って私が指差した方向に対しても、少しずれた方向を見ていたりすると見つけられなかったりと言う体験も少なくないです。

一般的に、おとなの視界は左右それぞれ100°と言われており、視野としては約150°ほどあります。

顔を前に向けて目を動かさずに前を見ると、明るいところなら真横まではっきりとまでは行かなくてもそのくらいは見えていますよね。

一方で、子どもの場合は90°程度と言われており、これは大人のおよそ60%ほど。

この子どもの視野角(チャイルドビジョン)がどんなに狭いものなのかを疑似体験できるツールもあります。

チャイルドビジョン
画像引用元:NPO法人CAPセンター

http://cap-j.net/wp/wp-content/uploads/2015/03/dl_childvision2014.pdf

上のリンクから無料でダウンロードできるので、ぜひ作って使用してみてください。

子どもの視野ってこんなに狭かったの?って驚かれると思います。

こんな狭い視野角じゃあ、左右から車がきていても気付くことはできないと思います。

近くに不審な大人がいても気付く事ができないと思うと本当に恐ろしい!

視野が狭いために、車や自転車が近づいてくることに気づかず、「よし、大丈夫!」と思って渡ってしまうのですね。

それがよく見えている大人にとっては、不注意による飛び出しに見えてしまい、

もう!よく見なさいって何度も言ってるでしょ!

って注意しがちですが、そう。

見てないんじゃないんです。見えてないんです。

首を振って車や自転車が来そうな方向にしっかりと視界を向ける事が必要なんですね。

そりゃあ子どもにはちょっと難しいかもしれないな、と気づかされます。

※チャイルドビジョンは、大人が子どもの視野の狭さを疑似体験するために作られたツールです。
子どもが使用したり、
大人でもチャイルドビジョンをつけた状態で、屋外を歩行したり、遊具で遊んだりするのはとても危険です
のでやめてくださいね。

手を上げることで安心してしまう?交差点での子どもの交通事故が減らない意外な理由

手をあげて道路を渡る男の子

幼稚園や小学校の交通安全教室では、

「横断歩道のある場所を手をあげて渡りましょう」

と教えられる事が多いようですが、京都は細い道路がたくさんあって、通学路中に横断歩道がない交差点が無数にあります。

なので、信号や横断歩道のない交差点の渡り方も親がしっかりと教えておく必要があります。

交通安全教室と違って親がおしえるメリットとしては、何度も繰り返し教えられると言う事です。

幼児の特性として、何度も教えないとわからないんですよね。

また、交通安全教室などでは「手をあげて」と教えられているからか、手をあげたら安心と思い込んで車の方をよく見ずに突っ込んでいって事故に遭う子どもも多いそうです。

とても怖いですよね。

以上、子どもの特性も踏まえて、子どもがどうやったら安全に道路を歩き、交差点を渡れるのかを考えてみましょう。

子どもに道路の歩き方を教えるコツは?

我が家では、習い事の送り迎え、幼稚園の送迎、休日の散歩の機会を使って、子どもたちに道路の歩き方・交差点の渡り方を繰り返し教えてきました。

子どもと道路を歩くって、危険がいっぱいだし、歩くのも遅いし、自転車を使いたい気持ちは山々なんですが、今後の子どもたちの安全のためにその気持ちをグッと抑えて乗り越えています。

その我が家で実行している教え方のコツをご紹介します。

別にこれが正解というわけではないので、できそうと思う方は参考程度に読んでみてくださいね。

コツ① 基本は止まってよく見ること。

止まれの道路表示

交差点を渡るときは左右をよく見て渡ると言うことはとても大事なことなので、「基本はよく見る」と言うことは忘れずに伝えましょう。

子どもの視野は狭いので、大人もチラ見ではなく一緒にしっかりと首を振って車が来そうな方向に顔を向けます。

交差点に限らず、道路上でも子どもは突然走り出したりしますから、「走り出す前は一旦止まって周りをよく見て」などと具体的に伝えるのも効果的ですね。

それに加えて、

道路では遊ばない・ふざけない。

など併せて教えておくと安心ですよね。

私もしつこくネチネチと子どもたちに伝えています。

コツ② 道路を渡るときは運転手さんとアイコンタクトを取る

子どもと一緒に交差点を渡るときに危ないなと感じたことはありませんか?

私も、子どもと通学路を歩く練習をしていて、「この子、一人で交差点を渡らせるの不安だな」と何度も感じてきました。

子どもが左右をよく見ていなかったり、急に走り出して渡ろうとしたりして、一人で学校に行かせて本当に大丈夫だろうかと不安になりますよね。

ここで一旦、歩行者と逆の立場になってみます。

自分が車を運転していて交差点を渡る時、横道から歩行者が現れた場合はあなたならどこを見ていますか?

私は歩行者の顔をみています。

  • 歩行者がこちらに気付いているのか?
  • どちらの方向に行きそうか?
  • スピードを緩めるのか、そのまま渡ってくるのか?

歩行者の顔を見ることで、そういったことを判断しているのだと思います。

歩行者が横断して来なそうならそのまま行くし、横断してきそうなら止まって待ちますよね。

私たちが歩行者の立場の時も同じで、横道から車や自転車が来た場合、車の運転手さんの顔を見ていると思います。

相手がスピードを緩めて止まってくれそう、もしくは止まってくれたら渡らせてもらいますよね。

逆に、こちらには目もくれていなかった場合は、こちらの存在を分かっていないんだなと判断してより注意しますよね。

この運転手側からの視点を活用して、子どもには、「車が来たら運転手さんの顔をよく見よう」と伝えています。

歩行者が横道から現れた場合、基本はスピードを緩めて歩行者優先で渡らせるのが原則になりますが、こちらの存在に気付いてはいても、止まってくれない車もありますよね。

なので、運転手さんの顔を見た上で、こちらが渡るよと言う意思を運転手さんに伝える。(お辞儀をする・手を上げる)

手をあげる事で、背が低く見えにくい子どもを運転手さんに見つけやすくしてもらう効果もあるそうです。

(手を上げてから車を見るという指導をしているところもあるようです)

そして、車が止まってくれたら渡る。

この4ステップで教える事で子どももより車の動きに目を向けるようになり、安全に交差点を渡る事ができるようになると考えられます。

子どもへの交差点の渡り方を教え方
  • まず交差点に差し掛かったら一旦止まる。
  • 車が来ていたら、運転手さんの顔を見る。
  • 運転手さんと目があったらお辞儀して手をあげる。
    • (運転手さんと目が合わなかったら、そのまま止まって待つ)
  • 止まってくれたら渡る

これらを教えるときに、

  • 「この方法は「アイコンタクト」って言うんだよ」
  • 「○○くんにだけ教えるけど、大人のかっこいいやり方なんだよ」

とか言うと、大人を真似したい子どもの心に刺さって覚えてくれやすいです。

このアイコンタクトは、手を上げるのが恥ずかしくなってきた高学年の子どもにも効果的な方法です。

まとめ

一人歩きが増える7歳児の交通事故が突出して多くなっています。

子どもは視野角が狭いという特性もあり、友達とふざけたり突然走り出すなど危ない行動もしやすいので、道路の歩き方、交差点の渡り方についてご家庭での繰り返しの指導が必要になります。

子どもに交差点の渡り方を教えるさいに我が家で大切にしているポイントは以下の項目になります。

  • まず交差点に差し掛かったら一旦止まる。
  • 車が来ていたら、運転手さんの顔を見る。
  • 運転手さんと目があったらお辞儀して手をあげる。
  • (運転手さんと目が合わなかったら、そのまま止まって待つ)
  • 止まってくれたら渡る

お子さんが安全に道路を通行できるようになるのための参考になれば幸いです。

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