【科学的に検証】スイミングで新型コロナ感染リスクが低いって本当?学校との違いも検証

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  • 子どもをスイミングに通わせたいんだけど、プールで新型コロナウイルスに感染しないか心配。
  • スイミング教室では大丈夫って言われているけどいまいち信じられない。
  • 学校のプールは中止になっているのにどうしてスイミング教室は大丈夫なの?

そんな疑問に答えます。

スイミング教室に行って大丈夫?新型コロナウイルスへの感染が心配です。

ばい菌

相変わらず新型コロナウイルスが猛威を奮っています。

たくさんの人が色々なものを犠牲にして予防・対策をし、頑張っているにも関わらず、依然として感染者は増減を繰り返して予断を許さない状態です。

同じ小学校、同じ会社の人など周りに観戦者が出たりと段々と自分の身近な人でも感染した人を聞くことが増えてきて、すぐそこまで迫っている感が否めません。

最近は子どもも感染し重症化するリスクの上がった変異株も出てきているそうで怖いですよね。

でも、私たちは生活していかないといけないし、子どもたちはどんどんと成長していく。

特に子どもたちの成長はストップできないものだし、幼い頃の経験や学びはその後の人生にも大きな影響を及ぼすかけがえのないものです。

感染のリスクを取らずに生活するのが難しい状況の中、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭でも日々様々なことに頭を悩まされていることかと思います。

幼稚園、保育園はどうするか?習い事は行くべきか?

我が家でも、新型コロナウイルスが流行する前からムスメ・ムスコが通っていたスイミングスクールに、継続して通わせるべきかどうかかなり悩みました。

感染のリスクを少しでも排除した生活がいいのか?多少のリスクを取っても子どもの成長を促す行動がいいのか?

結局、我が家では少し休んだのち、スイミングを続けることにしました。

ただ、やはりプールでの感染のリスクがあるのは心配

スイミングスクール側からは説明もありましたが、いまいちピンときていません。

最近、京都府内のプールの施設で集団感染が出たこともあって不安が増幅しています。

京都新聞2021年4月20日の記事によると


京都府と京都市は20日、新たに10歳未満~100歳以上の男女計120人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。中等症2人のほかは、調査中を除いていずれも軽症か無症状。感染経路不明は54人。府内の感染者は計1万1151人になった。

 京都市の発表分は76人。これまで1人の感染者が出ていた市内の就学前児童の通所施設で新たに児童3人と職員1人の陽性が判明し、市はクラスター(感染者集団)が発生したとみている。居住地別では京都市65人、京田辺市4人、宇治市と大阪府が2人、滋賀、奈良、広島県1人。

 府の発表分は44人。利用者ら13人が感染した福知山市温水プールで新たに1人の陽性が判明した。居住地別では、福知山市10人、宇治市6人、綾部市4人、向日、城陽、八幡市と精華町が3人、長岡京、京都、木津川、亀岡市が2人、京田辺、南丹市と大山崎、和束町が1人。

 このほか京都市消防局と府立消防学校は、市消防学校(南区)の初任教育生5人が感染したと発表した。

引用元:京都新聞
  • どうしてスイミングは新型コロナウイルス感染リスクが低いの?
  • どうして学校は水泳の授業を中止しているのにスイミングはOKなの?

そこのところをぐっと掘り下げて調べてみました。

スイミング始めたいけど心配で始めようか迷っている。というママや、私のように子どもをスイミングに通わせているけどモヤモヤしている。というママのお役に立てば幸いです。

我が子が通うスイミング教室では新型コロナウイルスに感染するリスクは低いと説明されています。

スイミングスクールのイメージ

我が家の子どもたちが通うスイミング教室では、

コーチ
コーチ
  • プール室内は湿度が高いため、飛沫が飛びにくい
  • 塩素の消毒効果で水中(プール中)ではウイルスは死滅する

ので、スイミングでの感染リスクは低いというふうに説明されています。

なので、プール室内ではマスクを外しても安心なんだそうです。

その上で、新型コロナウイルスに対する対策をとることで感染予防もしっかりと行ってくれています。

子どもたちが通うスイミングスクールでは

  • 入館時には手指の消毒
  • 入館時は全員マスク着用
  • プール前の全員揃っての体操は1m以上の間隔を開けて行う
  • 観覧者は生徒一人につき基本一人のみ
  • 観覧中は会話は控える
  • 施設内の手すりや椅子をおよそ1時間ごとに消毒
  • 館内での飲食は禁止
  • 更衣はできるだけ家で。更衣室には最低限の人数で利用する
  • プールに入る前、出た後は速やかにマスクを着用

などの対策をとっています。

ただ、現実としては元々生徒数も多いのもあってレッスン前後はものすごい密になっています。

更衣室はできるだけ使用しないようにと言われているけれど、人数制限があるわけでもないので利用したい人はできる状態。

レッスン前には家から水着を着てきた子たちもレッスンが終われば必然的に全員着替えるので、更衣室もすごい人で密集しています。

更衣室が密なので、体操場の椅子などを使ってお着替えをする子もいるから、レッスン前後ですごい密になります。

子どもってしょうがない部分もあるけど、着替え終わった後にノーマスクでめっちゃ走り回ってデカい声でめっちゃ喋りまくっているし、親御さんも職員の方も注意もしないです。

プール終わった後に着替えながら子どももママも喋りながら着替えているし、子どもにおやつ渡して食べさせているママもいます。

カオス・・・

いくらリスクは高くないって言われても、よくここでクラスター発生しないな、って状況。

いや、感染しまくってみんな免疫できてるから大丈夫なんじゃないかって思ってしまう。

この状態はコロナ前から常態化しているから、職員の方もなんとも思っていないのかも知れないけど、いや思っていたとて生徒を減らすってわけにもいかないだろうからどうしようもないのかも知れないけど、もうちょっと意識高くしたほうがいいんじゃあ・・・って意識高くもない私ですら心配になる状態です。

【科学的に検証】スイミング教室では新型コロナウイルスに感染するリスクが低い理由

スイミング女の子

プール内では新型コロナウイルスに感染するリスクが低いと言われていますが、じゃあどうして低いの?

科学的に見ていきましょう。

理由①新型コロナウイルスは湿度が高い状況では不活性化する

一般的に感染症を引き起こすウイルスは低温・低湿度で生存率がアップします。

新型コロナウイルスではないのですが、2種類のコロナウイルスについて気温4℃、20℃、40℃、湿度20%、50%、80%のそれぞれを組み合わせた9つの組み合わせで生存への影響を調べたある研究によると、4℃、20℃、40℃の順でより早く不活化されたことが報告されています。

ただし湿度に関しては、湿度に比例して不活性化するのではなく湿度50%で最もウイルスが死滅するのが早かったのだそうです。

Effects of air temperature and relative humidity on coronavirus survival on surfaces | Condair
This study set out to examine the effects of air temperature and humidity on two coronaviruses similar in nature to SARS-CoV. Read more:

また、ウイルスの生存だけではなく、感染機序にも湿度や温度が関係しています。

くしゃみなどによって飛散したウイルス飛沫は、湿度の高い環境ではすぐに落下してしまいますが、湿度が低くなり40%以下になるとウイルス飛沫の水分が蒸発して軽くなるため、フワフワと空気中を漂って約30分間もの間空気中に止まるのだそうです。

湿度60%と比較すると湿度30%では2倍遠くに飛ぶそうです。

更に、空気が乾燥すると、喉の粘膜も乾燥して感染しやすくなります。

また、寒くなると血流が低下するため免疫が低下してしまい喉に炎症をおこしやすくなります。

なので、乾燥して気温が低くなる冬は風邪をひきやすくなったりインフルエンザが流行したりするのですね。

新型コロナウイルスにもその傾向があると言われており、気温の低く乾燥しやすい時期や地域には感染者が多いと言われています。

なので、逆に気温が高い時期には感染しにくく、意識的に加湿をして適切な湿度を保つのが大事になります。

プールで感染が少ないと言われるのはそのためなんですね。

なので、冬など乾燥しやすい時期や、暖房で乾燥する更衣室、プールから上がって寒く感じる場合は注意が必要かもしれませんね。

新型コロナウイルスはプール室内では不活性化する理由
ウイルス全般の傾向として
  • 気温や湿度が高いと早く不活性化する
  • ウイルス飛沫は湿度が低いと長時間空気中に漂い、遠くまで飛ぶ
  • 乾燥・低温の環境では人間も免疫力が低下して感染しやすい

理由②プールの残留塩素濃度を適切に管理することで新型コロナウイルスを死滅させることができる

プールの消毒に使われている薬品として「塩素」はよく耳にしますよね。

これは、実はプールの水の中に次亜塩素酸ナトリウムという液体の塩素剤を溶かしているんです。

「次亜塩素酸」は、酸化力が強く消毒液として使われます。

私たちの身近ではキッチンハイターなどは「次亜塩素酸ナトリウム」を使用しており、より強力な消毒作用を発揮しノロウイルスの時の消毒にも役に立ちます。

この次亜塩素酸は新型コロナウイルスにも効果を発揮すると言うことで、流行初めの頃品薄になったことは記憶に新しいかと思います。

プールでは消毒のために以前から塩素を用いていて、そのため新型コロナウイルスの消毒にも効果があると言うことなんですね。

混乱しやすい同じような名前の薬品として「次亜塩素酸水」というものがありますが、これは電解水とも呼ばれ水道水や食塩水などを電気分解して作られる水溶液です。

食品添加物としても用いられるくらい安全なものですが、新型コロナに対しての消毒効果はまだわかっていません。

プールの水は新型コロナウイルスを死滅させる理由
  • プールの水に入れられている「塩素」が新型コロナウイルスの消毒に効果的

※プール内では次亜塩素酸の濃度を適切に管理して用いられています。
ご家庭内で手指の消毒に次亜塩素酸を用いるのは危険なので止めましょう。手指の消毒にはアルコールが効果的です。

学校の水泳の授業が中止になっているのにどうしてスイミング教室はできるの?

屋外プール

学校教育を指導・管理する文科省から、今年度(2021年)の水泳授業については以下のような通達が出ています。

要旨

  • プール水の遊離残留塩素濃度が適切に管理(従来通り0.4~1.0mg/L)されている場合においては、水中感染のリスクは低い
  • 水泳の授業では児童生徒の密集・密接になる場面が想定される

以上の理由から、感染状況を踏まえて安全や感染リスクに配慮した対策を十分に取れる場合に限って水泳授業を行うことは差し支えない

十分な対策とは

  • ドアノブ、シャワーなどの児童生徒が手を触れる部分はこまめに消毒を行う
  • 屋内プールは十分な換気を行う
  • 体調が優れない児童生徒は参加を見合わせる
  • 見学の児童生徒はマスク着用し、1〜2mの間隔を開ける
  • プール内で大声を出したり不必要な会話を避ける
  • 一斉に大人数が入らない
  • プール内・プールサイドでも児童生徒の間隔を2m以上確保する
  • 児童生徒が密接する活動は避ける
  • ビート板などの道具を使用する場合は使いまわさずこまめに消毒する
  • 更衣室内が密にならないように利用人数を制限
  • 更衣室内での不必要な会話はしない
  • 外したマスクの適切な取り扱い方の指導
  • 更衣室内のドアノブ、スイッチ、ロッカーのこまめな消毒
  • 更衣室使用前後の手洗いの指導
  • タオルやゴーグルの貸し借りや取り違えの防止
  • 以上の学校内での共有と保護者への理解を図る

文科省HPより

これみただけでもすごい仕事量ですね。

子ども全員に守らせることは難しいですし、子どもたちを守るためには水泳授業は中止しようと思う先生方の気持ちがわかります。

先生方が大変なだけでなく、以下の理由から水泳の授業はやらない方向の学校が多いのではないかと考えられます。

学校では水泳授業ができない理由
  • 学校はあらゆる健康状態の子どもが通っているので全員にとって安全な方法をとっているから
  • 授業では児童数が多く、プールサイドや更衣室では2mの間隔を開けるという文科省の指導を遵守できないから
  • 授業では人員などの関係で、ビート板や更衣室などのこまめな消毒ができないから
  • 保護者の理解を得るのが難しいから

スイミングは習いたい子どもが通っているので、ある意味自己責任というか、感染のリスクもある程度理解した上でやっていることですが、水泳の授業の場合はそうではないですものね。

リスクを取ることに納得できないご家庭もあるかと思います。

また、リスクが致命的になる健康状態のお子さんやそのご家族もいるかと思います。

特に児童数が多い学校になるとそれだけ指導も対策も大変になってくるのかなと思います。

まとめ

子どもが習っているスイミングで新型コロナに感染しないか心配です。

スイミングスクールからは感染リスクが低い旨のアナウンスもあったのですがなんだかモヤモヤ・・・

  • どうしてスイミングは新型コロナウイルス感染リスクが低いの?
  • どうして学校は水泳の授業を中止しているのにスイミングはOKなの?

について科学的に調査してみました。

その結果、プールが感染リスクが低いと言われる理由としては

プールで新型コロナ感染リスクが低い理由
  • 理由①新型コロナウイルスは湿度が高い状況では不活性化する
  • 理由②プールの残留塩素濃度を適切に管理することで新型コロナウイルスを死滅させることができる

であることがわかりました。

一方でプール内ではリスクは低いのですが、更衣室や送迎バス、移動の電車内で密になると感染リスクが上がってしまいます。

また、観覧中の保護者のおしゃべりや飲食によっても感染リスクが上がってしまうので注意が必要です。

スイミングスクールはOKなのに、水泳授業が中止されている学校が多い理由としては次のことが考えられます。

水泳授業を中止している学校が多い理由
  • 学校はあらゆる健康状態の子どもが通っているので全員にとって安全な方法をとっているから
  • 授業では児童数が多く、プールサイドや更衣室では2mの間隔を開けるという文科省の指導を遵守できないから
  • 授業では人員などの関係で、ビート板や更衣室などのこまめな消毒ができないから
  • 保護者の理解を得るのが難しいから

水泳の授業では、安全上の理由などからバディ制度を取り入れている学校が多いなど、授業の性質上プール内でもプールサイドでも密になりやすいです。

また、学校の規模が大きくなるほど着替えの時に更衣室内やクラス合同での授業などで密になることも多くなり感染防止のための適切な距離が取りづらいです。

そのほかにも、おしゃべりしないように指導したり、触れる場所の消毒を頻繁にする必要があったりと教師の負担が大きく人員の不足にも原因があると考えられます。

学校はあらゆる健康状態の子どもが通っているため、全ての子どもやその家族の健康に気を遣う必要があることも理由の一つと考えられます。

子どもの頃の経験は今後の人生に与える影響が大きいと言われています。

コロナ禍のこの状況でも子どもたちは待つことなく成長していきます。

習い事に通わせるか?コロナ感染のリスクを取るか?

子どもの健康とトレードオフとなるほどの価値があることなのか?

私たち親が判断していかなければならない問題は山積みです。

このご時世で普段感じる以上に不安や迷いはあると思いますが、安全性やリスクを正しく知って判断していきたいですね。

この記事がその助けとなれば幸いです。

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