【入院施設のない病院でゆるい経口免疫療法】子どもの食物アレルギー治療はどのように進む?方法や期間【体験談】

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  • 子どもが食物アレルギーを持っている。
  • 病院で経口免疫療法を提案されたが、経口免疫療法ってどんな感じに進むの?
  • 経口免疫療法で大変なところや気をつけなければならない点って?

そんな疑問に答えます。

【子どもの食物アレルギー治療の新定番】経口免疫療法って?食物アレルギーを治療するメリットは?

食物アレルギー研究会のサイトによると

経口免疫療法(Oral Immunotherapy, OIT)とは、「自然経過では早期に耐性獲得が期待できない症例に対して、事前の食物経口負荷試験で症状誘発閾値を確認した後に原因食物を医師の指導のもとで経口摂取させ、閾値上昇または脱感作状態とした上で、究極的には耐性獲得を目指す治療法」をいう。

※「経口」:口から
「閾値」:アレルギー反応が出る限界の摂取量
「脱感作状態」:アレルゲンを継続的に摂取することで耐性ができてアレルギーが起きない状態

経口免疫療法は、食物アレルギーを治療する一方法です。

携行免疫療法は、実はエビデンスは詳しくわかっていませんが、経験的に効果が証明されている方法で医療的な治療になります。

※最近になって、経口免疫療法でアレルギーの発生が抑えられるメカニズムを解明する論文が発表されています。

経口免疫療法により食物アレルギー症状の発生が抑えられるメカニズムを解明|順天堂

昔は、食物アレルギーがある人は、その原因となる食物を食べない「除去」が定番でした。

除去ということは、食物アレルギーが発覚するとその人は一生その原因となる食べ物を食べられない(食べたらアレルギー反応が起こってしまう)ということです。

ひどいアレルギーの方は、外食や市販品を食べるのにかなりの覚悟や調査が入りますし、怖くて外食はできないという話も聞きます。

花粉症やハウスダストなどのアレルギーの方は多いと思います。

アレルギー反応を起こさないために原因物質を取り除くのはアレルギー治療の定番ですが、食物アレルギーの場合はその食品を食べられないとなると生活の質QOLが著しく下がりますよね。

特に子どもの場合は、色々な種類の食べ物を食べることで味覚を育てたり様々な栄養を摂取して成長するので特に影響が大きくなります。

しかし、最近では、乳幼児期に発症した食物アレルギーは適切な治療をすれば9割が治癒することがわかってきました。

子どもの食物アレルギーに多い、「小麦」「卵」「乳」などはあらゆる食物に入っていますし、食べられるのと食べられないのとでは大きな違いです。

治るのであれば、直してあげたいと思うのは当然の親心と思います。

でも、子どもが小さいため治療は親のサポートが欠かせず、親子での協力が大事になってきます。

この記事では、実際にムスコが経口免疫療法でアレルギー治療を行なってきた体験談をもとに、

アレルギー治療ってどんなことをするの?どのくらい大変なの?本当に治る?そんな疑問に答えて行きます。

【体験談】入院施設のない小児科でゆるい経口免疫療法の概要

診察室

ムスコの場合は、生後8カ月の時に初めてアレルギー反応が出て受診し、食物アレルギーと診断されました。

そのときの記事はこちら↓↓

そのあと、「1歳過ぎてから治療を始めましょう」という医師の判断で、1歳になった月齢から病院に通い経口免疫療法を開始しました。

ムスコが「小麦」「卵」「乳」の食物アレルギーの経口免疫療法を行なったのは

  • 入院施設のない
  • アレルギー専門小児科医

がいる病院のアレルギー科でした。

たまたま近所の行きつけの小児科がアレルギー科を新設したタイミングで、慣れた先生に近くで治療してもらえるのが魅力的でした。

どんなに良いお医者さんでも、家から遠いと子ども連れて年に何度も通うのは大変ですものね。

一般的に経口免疫療法というと、アレルギーのある食物のアレルギーがでない限界の量を病院で調べ、食べる量をどんどん増やしていくという治療法です。

重篤なアレルギー反応が起こっても対応できるように、アレルゲンの食物を食べるのも病院内で行います。

アレルゲンでも、少しずつ食していくことで体が慣れ、アレルギー反応が起こらずに食べることができるようになるという治療法です。

しかし、ムスコが治療を行なった病院は入院施設がないということで、経口免疫療法と言っても医師の指導の元、家で食べさせるものでした。

その代わり、負荷を軽くしてふやすスピードもゆっくりとしていたので、「ゆるい」経口免疫療法と呼んでいます。

注意

ゆるいと言っても、しっかりとした専門の知識を持った専門医の指導の元行なっています。自己判断で行うことはとても危険ですのでやめましょう。

進め方としては、初めはほんの少しの量から食べて行き、アレルギー反応が出なかったらそのまま食べ続け、一定の期間食べれたら増量していくという方法でした。

増量の際は、医師の診察の上、指導された量を増やして行きます。

同時に、皮膚が荒れていることへの治療も行って行きました。

というのは、食物アレルギーを持っている子は、同時に皮膚炎を発症している子が多く、アレルゲンは実は皮膚からの侵入の方が口からの侵入よりも重症になりやすいので皮膚のケアが不可欠なのです。

これを経口寛容と言います。

途中、2度ほど血液検査もしました。

IgE値を見ることで、アレルギーが治ってきているのかを見極める検査だそうです。

一言に「小麦」と言っても、世の中には小麦でできている食品がたくさんあるので、色々な食品を試しながらということもしてみました。

最終的には、一定の量(一般的な食事で摂取するよりも明らかに多い)を食べることができるようになった後、一定の期間を開けて最後また食べてみて異常がなければ無事治療完了となり「食物アレルギーは治った(なくなった)」との判断になります。

期間としてはトータルで2年半くらいかかりました。

※この記事を見て自己判断で真似される方がいると危険なので、詳細はあえて書きません。ご了承ください。

【体験談】ゆるい経口免疫療法でよかったこと

楽しく食べるこども

食物アレルギーが治ったことが、一番良かったことではあるんですが、この項目ではそれ以外にゆるい経口免疫療法を受けてみて感じた「よかったこと」をまとめます。

ゆるい経口免疫療法の方がリスクが少なく効果は同じ

一般的に経口免疫療法は、アレルギーの原因となる食物をあえて摂っていくことで耐性を獲得する治療法です。

急速に量を増やしていく危険な治療が行われている研究機関もありニュースにもなりました。

治療の最中に重篤なアレルギー反応が出てしまい、死と隣り合わせになることも。

ムスコが受けた「ゆるい」経口免疫療法では、ゆるいが故にそのようなリスクが低くなります。

最近では、アレルゲンとなる食品を急激に量を増やし多く摂取しても、少しずつ摂取して増やして行っても効果は変わらないということがわかってきています。

効果が同じならリスクは低い方がいいですもんね。

食べることが楽しくなる

ムスコが受けた経口免疫療法では、自宅でアレルゲン食品を食べていました。

アレルゲン食品を食べることを「治療」としてではなく、毎日の「食事」として食べれたことはとてもありがたかったです。

多分、ムスコもその方が食べやすかったと思うし、だから今でも食事が好きなんだと思います。

うまく言えませんが、食べることを「治療」として捉えてしまうと、食べることにマイナスのイメージをもっちゃうんじゃないかなっておもうんです。

治療のために仕方なことがあることももちろん分かります。

その上で、毎日継続していくものだからこそ、自宅での暖かい食卓の雰囲気の中で食べることができてよかったと思います。

入院の必要がない

上に兄弟もいたこともあり、入院での治療も難しいし、自宅で治療を受けることができてよかったです。

しかも、病院と自宅が近いこともあり、アレルギー反応が出てしまっても「いつでも駆けつけられる」という安心感もありました。

担当してくださった先生も「何かあったらいつでもすぐにきてくださいね」「心配なことがあったら電話していいですよ」と言ってくださったこともとても安心できました。

【体験談】ゆるい経口免疫療法で大変だったこと

ないているあかちゃんとでんわをかけるママ

自宅で食べさせる「ゆるい」経口免疫療法なだけに、大変だったこともあります。

この項目では、実際に体験してみて大変だと感じたことをまとめて行きます。

【要注意】食品の量を計るのがめちゃくちゃめんどくさい!怖い!

経口免疫療法では、食べる食品の量を毎日管理して行きます。

毎日、子育てしながら料理するだけでも大変なのに、それに「計る」手間が加わるわけです。

可愛い我が子の治療のためだから、頑張る!頑張るよ、もちろん。

でも、

めちゃくちゃめんどくさいです。

そして、最初の方なんて、めっっっっっっっっちゃちょっぴりなんですよ。

0.5ccとかから始めるんで、スポイトで測ったりするんですが・・・

誤差が怖いわ!

食べる量は完全にこちらの責任なんで、測り間違えも怖いし、食べたのを忘れててまた食べさせたりするのも怖いし。

ズボラな私は気が狂いそうでした。

【常に危険と隣り合わせ】増量するときはいつもドキドキ!目を離せない

経口免疫療法は、アレルゲンをあえて食べる療法。

なので、常に危険と隣り合わせ。

アレルギー反応が出てないか、見守っていなくてはなりません。

もちろん、1歳、2歳とかなので、ただでさえ見守りが必要な時期ではあります。

でも、危機感が違うというか、食べた後に食器を洗っているちょっとの間に発症してたらどうしようとか、トイレいっている間に・・・とか、一度アレルギー反応を見てしまっているだけにいつもドキドキしていました。

もしもに備えて、外出時にもアレルギーを抑える薬も常に携帯しなければなりません。

薬を忘れて戻ったことも。

【気を抜けない】食べる量と期間の管理が大変

経口免疫療法では、一定の量を一定の期間食べることが必要です。

異常がなく食べられたら、その後増量して、また一定期間食べることを繰り返します。

それを管理するのは、親である私なので、増量する量や食べる期間を全て管理しなくてはなりません。

忘れてしまって増量するタイミングを間違えたり、食べる量を勘違いして間違えてしまわないように、カレンダーやホワイトボードにメモしていつも確認しながら食事を食べさせていました。

もし、症状が出た時にお医者さんに説明できるように、食べたものの内容も毎日メモしていました。

間違えると命に関わることもありますので、気が抜けませんでした。

【食べ切れる工夫が必要】食べないときやお腹いっぱいになったらどうする!?

毎日、決まった量を食べる治療でも、相手は子ども(まだ赤ちゃん)ですから、食べたくない時やお腹一杯になっちゃったときあるんですよ。

え?これ、今日のノルマなのに、食べないの?どうするの?

ってなったことも数知れず。

毎日同じものを食べ続けるんですから、そりゃ大人でも飽きますよね。

しかも、最後の方なんて、ほんと食べ切れるの、これ?ってほどの量になるんですよ。

なので、子どもに食べてもらう工夫も必要になってきます。

例えば、同じ小麦タンパクを含む食品でも、食品の総量に占める小麦タンパクの含有量って違うんですよね。

パスタ、うどん、パン、どれも小麦でできていますけど、小麦タンパクの量が違うんです。

なので、食べ切れるように小麦タンパクを多く含む食品を利用したり、

味変したり、

飽きないように食品を変えてみたり

と言った工夫をしていました。

治療期間も後半になると、離乳食も普通食になるので家族の食事に合わせたメニューにしたいなー、ってなることもありました。

例えば、ハンバーグにしろ、カレーにしろ、シチューにしろ、アレルゲンの入っていない代替品を探すのが大変でした。

小麦は米粉、牛乳は豆乳、を利用して調理したりしていました。

後、

食べなきゃ!食べてくれ!食べろーーー!!

という私のプレッシャー、あれは良くなかった。(反省)(汗汗)

病院の先生も使っていたこちらの本が参考になりました。

おいしく治す 食物アレルギー攻略法 改訂第2版
・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・。*・本書は、第31回日本小児難治喘息・アレルギ…

他の子が食べているアレルギー食品を食べたがる

アレルギーのお子さんを持つ親御さん共通のお悩みかも知れませんが、兄弟やお友達などが食べているアレルギー食品を食べたがることがあります。

生活しながら治療するので、どうしてもそういうシーンにあってしまうことがあります。

まだ、言いつけがなかなか守れなかったり、言葉の理解が未熟な乳幼児期に治療を行うので言い聞かせるのが大変です。

ある程度食べられるようになっていても、1日に食べられる量を管理しているので、アレルゲンがどのくらい含まれているのかがわからないと食べさせられません。

食事を伴う預かり保育などがお願いしにくい

もともとアレルギーがある方に共通の悩みかと思うんですが、食事を管理しなければならない&食事後にアレルギー反応が出るかも知れないので、子どもを預けるのが難しくなりました。

特に、お昼を挟んだり、おやつを挟んだりする食事を伴う時間の預かり保育や、親も含めて預けるのが難しくなりました。

アレルギーだということを伝えていても、間違いもあったりするかも、とか考えたら怖くて余計に預けにくくなりました。

我が家はもともとそんなに保育をお願いしていなかったのでまあ、なんとかなりましたが、保育園とかに通うお子さんなんかはもっと大変だろうなと想像します。

治療期間も2年半と長かったですし、育児の大変な期間でもあるのでいざというときに預けにくいというのはかなり精神的に苦しいと感じました。

我が家の場合は、治療が入園時期までになんとか間に合って完了したのでよかったですが、園生活もまた大変になるだろうと思います。

まとめ

子どもの食物アレルギー治療として、経口免疫療法を受けました。

入院施設のない病院での治療ということで、主に治療の場は家庭になります。

治療内容としては、

  • アレルギー食品を医師の指導通り毎日継続して摂取する
  • 医師の指導のもと、増量していく
  • 定期的に診察を受けて増やす量を決めていく
  • 同時に皮膚炎の治療をする
  • 何度か採血による検査を行う
  • 最終的に一定量を食べられるようになったら、一定期間をおいて問題なく食べられれば「完治」

リスクを抱えながら家庭で治療を継続することで、大変なこともありましたが、子どもは今食物アレルギーを克服して、なんでも食べれるようになり幸せそうです。

なぜか、アレルギーがあった「小麦」「卵」「乳」食品が大好きです。(何でだろ?)

子どもにとっても、今後食べられないものがあるよりも、なんでも食べれる方が栄養的にも喜び的にも大きなメリットがあると思うので、治って本当に良かったなと思います。

食物アレルギーを抱えるお子さんは今や珍しくないので、危険なく治療できる方法が今後もっと広がっていったらいいなと思います。

※専門医の指導の元に行っています。
自己判断で行うことは危険ですので、絶対にやめましょう。

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