- 離乳食を始めようと思うんだけど食物アレルギーが心配。
- どんな症状が出たら病院に行ったほうがいい?
- アレルギーっぽい症状が出たけど、救急車を呼ぶべき?
そんなママの疑問に答えます。
【体験談】離乳食で食物アレルギーを発症しました
我が家のムスコは食物アレルギーを持っています。
行政の指導どおり、生後5ヶ月ごろから離乳食を始め、8ヶ月になった時に発症しました。
その経緯を紹介します。
初めて食べた時は大丈夫でも、次にあげた時に発症することもある。
ムスコが食物アレルギーを発症した時は、離乳食がまだ1回食でした。
ムスコはなかなか離乳食を食べてくれず苦心していました。
おかゆも炊きたてしか食べてくれず、炊き立てでもひとさじ、ふたさじでやめてしまう。
しかも、初期の離乳食ってとっても手間がかかるんですよね。
一食分がすごく少ないし、丁寧に裏ごししなければならないし。それで食べてくれなくて。
心が折れて一時中断した時もありました。
そんな中でのアレルギー発症でした。
その日もいつも通り私や他の家族が朝食を食べるとき一緒に食べていました。
離乳食の基本の始め方はきちんと守っていました。
- 初めてあげる食べ物は、単品でひとさじから始め、段々と増やして行く。
- 3日続けてあげて問題なければ次の食材へ進む。
ムスコの場合、食物アレルギーの原因になった離乳食は「パンがゆ」でした。
我が家では朝食がパンのことが多いので、それと赤ちゃん用のミルクを組み合わせてパンがゆにしてあげたんですね。
この時初めて食べたわけではなくて、初めて食べた時は3日続けて大丈夫だったので、この日は3さじ分くらい食べました。
いつもより食べた!って喜んでいて、初めての食材じゃないってところで完全に油断していました。
でも、初めてじゃなくても食物アレルギーを発症することがあるんですね。
皆さんは注意してあげてくださいね。
食後30分くらいしてぐずり出す
私やムスメも一緒に朝食を食べていたので、食べ終わった後に後片付けや掃除などをしている間にムスコがぐずり出したんです。
食後30分くらい経ったときでした。
ムスコは結構いつもグズグズしていたので、「またかあ〜。家事が捗らないんだよなあ〜」って感じで、おんぶしながら家事を進めていたんですね。
しかし、いつもおんぶしたら大体治るはずのグズリが、その時はなかなか治まってくれませんでした。
おんぶしているので、表情とかは分かりませんが、歌を歌ったり話しかけたり揺すったりしてもなかなか機嫌が治らなかったんですね。
食後45分で呼吸症状と皮膚症状
ここで、ちょっと「おや?いつもと違うぞ」と思いました。
でも、まだ家事が残っているし、片付けちゃってからゆっくりと相手をしようと思って家事を続けました。
ところが、しばらくしてもまだグズグズ言っている。
しかも、ちょっと呼吸音がおかしい。
ヒューヒュー言っている気がする。
と思って、おんぶを下ろしてムスコの顔を見ると
まぶたが腫れて
顔が真っ赤
になっていたんです。
ひと目見て、「あ、これやばいやつ!」と分かりました。
服を脱がせるとお腹やお尻までまだらに真っ赤。蕁麻疹ですね。
この時点で食後45分くらい
9時前くらいでした。
- このペースでどんどん悪くなるのか?→それなら救急車を呼ぶべき。
- ここがマックスなのか?→それなら近くの小児科を受診
冷静に考えなくちゃと思ったんですが、「このままじゃ死んじゃう!」という感情が湧いてきてちょっとしたパニックになっていました。
小児科に電話してすぐに受診
我が家は徒歩圏内に行きつけの小児科があります。
小児科の診察時間が9時から。
この時、時間が9時前と言うことで、すぐに電話して症状を説明しました。
そうしたところ、すぐに来てくださいと言うことで受診することにしました。
その時は知らなかったんですが、最近「アレルギー外来」を設置したところだったようで、アレルギー専門医の先生もいらっしゃいましたので運がよかったんだと思います。
近くにアレルギーに対応している病院がない場合に、今回のような症状が出た場合は間違いなく救急車を呼ぶべきですね。
アレルギー外来での診察結果は?
小児科の待合室で待っている間にも症状が進んでいるように感じました。
頭皮まで真っ赤になり、目も開けていられないくらいにまぶたが腫れ上がっています。呼吸も苦しそう。
でも、結果から言うと、ここがマックスでした。
診察を受けた頃には少し腫れも引いていました。ほっと一安心。
診察後、抗アレルギー薬の注射してもらい症状は安定しました。
お医者さんの診察結果は、食物アレルギーのアナフィラキシーを起こしていると思って間違いないということでした。
次にアレルギー反応が起きた時のために、抗ヒスタミンの内服薬を処方されて、しばらくは「乳製品、卵、小麦製品は食べない」ということで帰宅しました。
アレルギーのアナフィラキシーとは?
アレルギーの症状として、皮膚症状、粘膜症状、呼吸器症状、循環器症状、消化器症状、神経系の症状があり、それぞれに軽いものから重いものまであります。
この中で2つ以上の重い症状があると認められた場合に「アナフィラキシー」となります。
ムスコの場合は、蕁麻疹が出る「皮膚症状」と、ゼーゼーヒューヒューしている「呼吸器症状」のふたつの症状が出ていたのでアナフィラキシーと判断されたんですね。
この場合は、今回のようにすぐに受診できる状態じゃなければ迷わず救急車を呼んでいいそうです。それ以上悪化するかどうか、素人には判断できないからです。
食物アレルギーの治療は?
その時の食物アレルギーは、後の検査で「パンがゆ」の「乳成分」「小麦成分」「卵」だということが分かりました。
乳児期に発症した食物アレルギーは、治療すると治ることが多いことがわかっているそうです。
9割くらいの方は治癒するとのことで、適切な治療をすれば治ることがわかっています。
しばらくしてからムスコもこの治療がはじまりました。
この治療に関してはまた記事ができ次第アップしていこうと思います。
治療についての体験談をこちらの記事にアップしました↓↓
【教訓】食物アレルギーに備える離乳食の進め方
ムスコが食物アレルギーを発症して初めて分かったことがたくさんあります。
以下に分かった事をまとめていきます。
参考にしていただけたら幸いです。
家族に食物アレルギーがいなくても発症する
我が家の家族周りで食物アレルギーを持っている人はいませんでした。
アレルギーって、遺伝しやすいので我が家は心配ないかなと思って油断をしていました。
今、食物アレルギーを発症する子どもは増えていて、その原因はよくわかっていないんですが、家族にアレルギーの人がいないからといって油断してはいけないなと思い知りました。
離乳食の進め方はしっかり守る
指導されている離乳食の進め方ってあるじゃないですか。
初めての子どもの時って、結構慎重に進めるママが多いと思うんですね。
でも、ふたりめ、3人目となってくると、上の兄弟の生活リズムもあったりするので、進み方が少し早かったり適当になってしまったりしがちじゃないですか?
よく食べるからと、ちょっと多めにあげてしまったり、お味噌汁で煮込んだ野菜をあげるとかで複数の食材をあげてしまったり、しますよね。
でも、ちょっと考えてみてください。
国民の3人に1人が何かしらのアレルギーがあると言われている今の日本です。
何もなかったらいいんですよ。
でも、食物アレルギーが出てしまったら?
後悔するのは分かり切っていますよね。
なので、ちょっと手間はかかるかもしれないんですが、私の教訓を踏まえて、できるだけ慎重に離乳食を進めて欲しいと思います。
食物アレルギーを発症しても速かに受診できるように、離乳食は午前中の早い時間にあげる
アレルギー症状の出方としては、2種類あって、即時型と遅延型とがあります。
ムスコの場合は、すぐに症状が出たので即時型でした。
離乳食を食べてから1時間ほどでアレルギー症状がマックスになりました。
実感としては、あれよあれよという間に症状が進んでいったという感じでした。
縁起でもないしそうなって欲しくはないけれど、正直、このまま死んでしまうんじゃないかってとても怖かったです。
家事が落ち着いて、お昼に近い時間になってから離乳食をあげていたら、午前と午後の間の休診時間中に発症していたかもしれません。
そうなったらタクシーで救急病院に行くか、救急車を呼ぶしか無くなってしまいます。
救急車を呼ぶのに手間取ったり、呼ぶかどうか迷っている間に症状が進んだり、最悪ショック状態になることも想定できるのでやはり、離乳食をあげる時間は午前の早い目の時間にあげるべきだなと痛感しました。
【正しい知識を】食物アレルギーに関する誤解
私は食物アレルギーの人が身近にいなかったこともあり、ムスコが食物アレルギーになって初めて知ることがたくさんありました。
大半の人たちと同じように誤解して理解していることもありました。
食物アレルギーは治るものなんだというのもその一つです。
食物アレルギーになってしまった人にとっては、アレルゲンである食品の扱いは命に関わることです。
特に赤ちゃんは自分で管理することができません。私たち、周りの大人が正しい知識を身につけて、管理してあげることが必要です。
食物アレルギーになってしまったら一生治らない?食べられない?
私も、ムスコがアレルギーと分かった時、一生食べられないと思いましたが、最近は乳児期に発症した食物アレルギーは治るのが医学的な常識になっているようです。
卵、乳製品、小麦、大豆などは、乳児期に発症することが多い食物アレルギーです。これらの食品をアレルゲンとする食物アレルギーは、乳児期に発症し、小学校入学する頃には治癒して食べられるようになることが9割くらいあるそうです。
逆に、大人になってから発症するアレルギーは、治ることが少なく、そのアレルゲンとしてはエビやカニ、果物などが多いそうです。
その中間型がピーナッツやゴマ、そばです。乳児期に発症すれば治る場合もあるとのことです。
ムスコもゴマのアレルギーもあるのですが、治るといいなあ。
食物アレルギーは甘え?好き嫌いと同じ?
これは、年配の方に多い誤解なようです。
50年前は日本でアレルギーの方ってほぼいなかったようです。
なので、アレルギーは甘え、頑張れば食べれるんだと誤解している方が多いみたいです。
帰省中に祖父母に無理やりアレルゲン入りの食品を食べさせられたお孫さんが重篤な状態になったという例もあるそうです。
ムスコも、牛乳やチーズ大好きですがアレルギーがありますし、
食物アレルギーは、好き嫌いとは違います。
頑張って食べれるようなものではないんです。
好き、嫌いに関わらず、命に関わる症状が出てしまいます。
その事をパパやママから説明して十分に理解してもらった上で、子どもからは目を離さないようにするのが大事です。
食物アレルギーは、離乳食を早くから始めるとなる?
これは、どこから広まったのか、まったくのデマです。
離乳食を早く始めるとなるという噂から、離乳食を始めるのを遅らせるママがいるそうですが、逆効果なので絶対にやめたほうがいいです。
なぜなら、人間には「経口免疫寛容」というシステムがあるからなんです。
アレルギーは、免疫機能の過剰反応とも言われていますね。
アレルゲンが体内に入ると、それに対して体内の免疫が攻撃を始めるためアレルギー症状として現れます。
実は、アレルゲンが口から入ると、アレルギーを抑える免疫細胞が活発になることが分かっています。
先程言った「経口免疫寛容」の「経口」とは「口から入る」ということ、寛容は「穏やかになる」ということですね。
つまり、口から入った方がアレルギーの免疫反応が穏やかになるということです。
アレルギーは、口よりも皮膚からアレルゲンが体内に侵入することで起こりやすくなることが最近の研究で分かっています。
例えば、小麦製品を食べるよりも、荒れている肌で小麦粘土を触る方が危険ということですね。
なので、食物アレルギーを予防するのには離乳食を遅くすることがいいのではありません。
むしろ適切な時期に始めることでアレルゲンに対する耐性を獲得することができます。
皮膚の保湿を十分にして肌バリア機能を高めておいたり、肌荒れを治しておくことによって肌からアレルゲンを侵入させないようにすることが大事です。
保湿の重要性って、こんなところにもあるんですね。
食物アレルギーは、妊娠中にお母さんがその食べ物を食べすぎたからなる?
妊娠中にママが食べた食品によって、赤ちゃんがアレルギーを発症しやすいという医学的根拠はありません。
同様に、◯◯を食べるとアレルギー予防になるというものもないそうです。
それよりも、食品を除去することによって栄養が偏ってしまい、赤ちゃんが成長不良に陥ってしまう方が問題です。
妊娠中に限りませんが、特に栄養バランスが偏らないように食べることが大事です。
母乳だけ飲んでいるうちは食物アレルギーにならない?
母乳中には、ママの食べたものがごく僅かですが出てきます。
母乳中に出てくるアレルゲンの濃度は、アレルギー症状を起こす濃度の千分の一程度だそうです。
ママがアレルゲン食品を食べると、その後およそ1〜5時間の間、母乳中に出てきます。
なので、母乳だけを飲んでいる赤ちゃんにも食物アレルギーを起こす可能性はあります。
しかし、ママの母乳中に出てくるアレルゲンの濃度がとても少ないことに加えて、アレルギーを抑える免疫細胞がたくさん含まれているので通常はアレルギーを起こすことは少ないです。
それでも、母乳しか飲んでいないのにアトピーなどを発症している場合は一度お医者さんに相談してみると方がいいと思います。
母乳をあげるってことは、ママと赤ちゃん両方にいいことがたくさんあるので、勝手に母乳を中断するのではなく、きちんとお医者さんにみてもらった上で適切に除去するのが大事です。
除去する場合は、ママがアレルゲン食品を食べてから2回くらいは母乳を上げずに代わりにミルク(乳アレルギーがある場合はアレルギー対応のミルク)をあげ、ママは搾乳することになります。
アレルゲンは食べなければアレルギーを発症しない?
先ほども触れましたが、人間の免疫反応には「経口免疫寛容」というシステムがあります。
食べたものはアレルギー反応を起こしにくいというシステムでしたね。
なので、口から摂取するよりも湿疹があったり荒れたお肌からアレルゲンが侵入するとアレルギーを発症しすいです。
ムスコも元々肌が乾燥しやすくて、荒れたり痒がったりしがちだったので、もしかしたら荒れた皮膚から入り込んだのかもしれません。
今は小麦商品はだいぶ食べられるようになりましたが、小麦粘土やパン作りのお手伝いの時は手が赤くなるので触らせるのは止めています。
まとめ
食物アレルギーになったことがないと分からないアレルギーの大変さ。
食べられるものも限られてしまうし、命に関わることもあるので、できるだけ子どもにはなって欲しくないなと思いますが、現在は3人に1人がアレルギーを持っている時代。
最近はアレルギーの研究も進んで色々なことが分かってきています。
妊娠中や離乳食時期に必要以上に警戒して除去してしまうと、アレルゲンに対する耐性が獲得できずに逆効果なこともありますので、正しい知識を持ちましょう。
なってしまった場合にも対処法を知っておけば、慌てずに正しく対処できますね。
食物アレルギーを発症してしまうとママも大変ですが、諦めずに治療すれば治っていく可能性の大きいものなので一緒に頑張りましょう。
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